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文藝春秋(文庫になりました)
今月中にプロポーズするはずだったな…。転んで頭を打った僕は、結婚相手が誰なのか忘れてしまった。しかも僕には魅力的な3人の彼女がいるから大問題。29歳・男性の恋愛成長小説(?)。「別冊文芸春秋」連載を単行本化。 映画化決定しました。来月上映予定です。?をつけたのは「成長」が感じられなかったから。
主人公・片山輝彦はスケート場で転倒、その間近の記憶がない。ポケットの中に指輪があるので、3人いる彼女のうち、誰かにプロポーズしようとしていたんだと思う。30歳になるまで結婚してやる。それが出て行ったモトカノ・絵美里への復讐だ。
そのプロポーズの相手が誰だかわからない。そのうち3人の彼女達が結婚を意識し始めて怪しい雲行きに。そこにエミという中三の正体不明の少女が現れて…。
■住友智恵…同じ会社に勤めるゲームオタク。デートコースは「家でゲーム」。「営業」に回されるのが嫌で、結婚をせっついた。そこそこカワイイと評判だが洋服はコーディネートをまるごと購入しているズボラ。人間関係が苦手でゲームだけして生きていたい。
■潮崎めぐみ…仕事の関係で知り合った。グルメでぽっちゃり系。デートコースはみたくもない「映画」。自分へ対してのの愚痴を男性に送っているのを彼女の携帯を盗み見して知ってしまう。
■鈴木和歌子…大学の下級生。頭がよく会話が楽しめるが神経症に悩んでいる。デートコースは公園などをぐるぐる歩き回る「散歩」。精神状態が悪化しており母親が看病に来ている。
「主人公が嫌い!」
女性なら誰でもそう思うはず。真剣に自分や相手と向き合わず、のらりくらりと生きている。いいとこをつまみぐいして、争いを好まず、逃げるだけなので、いつまでたっても問題点が解決せず、女性がいらいらしてしまう。なのに、「出て行った絵美里への復讐」のために30歳までに結婚する、と見栄を張る。結局は3人の彼女のアラが目立ち、誰とも結ばれずにリセットされ、作品そのものもスッキリせずに終了。「…どうなってんの?スッキリさせてよー」となんとももどかしい結末。男性ってこういうモノなんですか?
ごたごたを乗り越えて「大人」になって「結婚」するのにそれができてない主人公にかなりイライラさせられます。「コイツ、救いがないなー」、という感も。最近の男性は皆、こんなひとりよがりな「草食系」なんでしょうか?
イライラしつつも読みやすく、作中に出てくるゲームは全部知ってるし、映画「マトリクス」「ラン・ローラ・ラン」等に抱く感想は同じなので「意外にコイツと話が合うかもしんない…」と複雑な思いです。(お付き合いは遠慮したい…)
朝日新聞の水曜日の朝刊に連載されている「東京文学散歩」という書評コラムで紹介された本です。東京周辺を舞台にした小説が紹介されています。現在も連載中。阿佐ヶ谷あたりを知っている人は興味深く読むことができるでしょう。
「八月の路上に捨てる」が芥川賞を受賞しました。サクサク読めてしまうのであと数作読んでみようと思います。
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