人面犬じゃないよ!腕に住んでる:平面犬。:乙一:ホラー小説

「わたしは腕に犬を飼っている――」

気まぐれと好奇心から、謎の中国人美女彫師に彫ってもらった犬の刺青。
「ポッキー」と名づけたその刺青がある日突然、肌の上を勝手に動き出し…

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価格:620円(税込、送料別)

肌に棲むワガママで言うことをきかない刺青の犬・ポッキーと少女の生活を描く表題作。

その目を見た者を石に変えてしまうという魔物を好奇心から覗きに行った男たちの末路、「石の目」など、乙一のファンタジー&ホラー四編を収録する傑作短編集。

4編収録されています。

「石の目」
昔、わたしに会いに来た写真家の母は自宅近くの山で行方不明になった。その山には見たものを石に変えてしまうという「石の目」という魔物が住んでいるという伝承がある。同僚のN先生は偶然同じ地元の出身だった。意気投合したふたりは「石の目」を探しにいこうと提案し、連れ立って地元を訪れる。

「はじめ」
誤ってヒヨコを踏み潰してしまった私。クラスメイトの木園が機転を働かせて想像上の人物「はじめ」に罪をなすりつけた。「はじめ」は私と木園にしか見えない幻の少女のはずなのだが、あちこちで「乱暴者のはじめ」を見たという噂が立ち始める。

「BLUE」
骨董品店のリンから不思議な布を買った「ぬいぐるみ作家」。その布で堂々とした「王子」「王女」「騎士」「馬」を作る。残り生地をつぎはぎしたみずぼらしい「BLUE」を作り上げた後、アルコール中毒で死んでしまう。動くぬいぐるみたちたちはリンの手を通して女の子のプレゼント品として裕福な家に売られていく。

「平面犬。」
腕に彫ってもらった犬の「ポッキー」の刺青は信じられないことに生きていて、わたしの皮膚の上をこっそり移動する。家族3人がそれぞれがんで半年の余命しかないと知った私は「お金持ちを助けた証明でもある刺青の『ポッキー』」を腕に戻そうと山田さんとあれこれ知恵をしぼるが…

乙一の作品のキャラは外見の描写が少なくて女性なのか男性なのかよくわかりません。でも「平面犬。」の主人公は女の子なのでしょう。やや乱暴な口調が現代っ子らしいです。山田さんみたいな友人がいるところを見ると自分が思っているほど「ダメ人間」ではないようです。「犬を食べ物の刺青で釣って、つないでしまおう」なんて大まじめなふたりがコミカル。
なので、「富豪の見た刺青の犬」とはちょっと違う姿になってしまうのですが…

それにしてもに命を助けられたお礼をするために
「お返しをしたいので『腕に犬の刺青』をした方を探しています」
と、広告をうった富豪ですが…

彼は主人公の話を疑った上に、

「女の子が親からもらった体に刺青をするなんて…親御さんが悲しむでしょう」
(偶然富豪を救った主人公はその『親』を助けたいがために、今、しなくていい苦労をして富豪に名乗りでているのです)

等など…今この場で言わなくてもいい「鉄板の大人の言い分」までだしてきて「命の恩人」を目の前にしてとても失礼な態度をとるのです。
主人公がいなかったら今、命はなかったはずなのに。

はじめは「見返りのない好意」に感謝してのお返しとしてのお礼だった「お金」。「金目当て」に富豪の前にいろいろな欲深い人が現れ当初の純粋な「感謝の気持」が濁ってしまいました。
結局最後には「損したくない」「騙されたくない」という心で富豪の心はまた「猜疑心」にみちあふれてしまったのです。

「感謝の気持」を「お金」に換算するという発想がそもそもいけなかったんでしょうね。

「――なら、お金なんかいらない。今まであたりまえに過ごしていた家族との残り少ない時間を大切にしよう」

と、決心する主人公が潔くてステキ。
当たり前のように存在し、この後も続くと思っていたゆえに自覚できずにぞんざいに扱っていた家族の大切さにそこで始めて気づくのです。
やはりこの世には「お金では買えないもの」が確かに存在するのかも…としみじみ感じ入りましたねー

短いのにピリッとスパイスが効いていて…そしてちょっと深い「乙一の短篇集」はお気に入り。
現実からちょっとずれた所にあるストーリーはファンタジーやホラーと言う名ではくくれなくて。そんな所も気に入ってます。

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やまね の紹介

偏った読書遍歴とそのレビュー。 コミックから専門書までなにからなにまで読みます。 書くのも読むのもやめられない。活字中毒をなんとかしてくれ! 乱読&積読仲間募集中!
カテゴリー: ホラー, 小説   パーマリンク

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