当時17才、鮮烈なデビュー作:夏と花火と私の死体:乙一:ホラー小説

「わたしも健君のこと好きなんだ」

9歳の夏休み、私は殺された。
あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなく――
…この「死体」をどこに隠せばいいのか?

そして私の死体を隠すため、幼い兄妹が奔走する四日間。
アクシデントに翻弄されるふたりは無事死体を隠し通せるのか?

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幼いがゆえに罪なく恐ろしい子供たちを描き、斬新な語り口でホラー界を驚愕させた早熟な才能・乙一のデビュー作。

第六回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞受賞。

ブラコンの妹にその兄が好きであることを告げたがために「わたし」は妬みをかい、突き落とされて不運にも死んでしまう。
そして泣きながら兄にその事実を告げた妹は、兄とともに「わたし」の死体を隠すため夏いっぱい冷や汗をかきながら過ごすことになる。

死んでしまった「わたし」視点で物語は進んでいきます。
「わたし」は死者。時に第三者視点。
難しい設定だと思いますが全く破綻が無く視点のブレもない。
これを16歳の男性が書いたなんて信じられません。高校生ですよ?

そもそも「死体」を第一人称にするなんて「発想」ができないよ!

物語は死者である「わたし」を語り部に淡々と進んでいきます。
そこには「わたし」の「殺されてしまった憎しみ、苦悩」は描かれません。
ただ幼い兄妹が「わたし」の死体を隠すために悩み、発覚を恐れる様をひと夏を通して描くのです。
「わたし」の生々しい感情を省いているだけに、「作業」として「死体」を隠そうとする兄妹がかえって恐ろしく感じます。
「罪悪感」「後悔」の描写を抑えたためにかえって子供の持つ「残酷さ」や「利己的」な部分が際立つのです。

「見つからなきゃ大丈夫」
それは「怒られたくない」がゆえに行動するまだ「善悪」の観念に苦しめられることのない子供だから許される考えなのですが――

実は大人になってもこんな人いるんじゃない?

――と考えるとやっぱり冷え冷えとした寒さを感じるのです。 :-(

私はノベルを書く時には視点がブレブレになって悩みます。
一人称が一番感情移入しやすく書きやすいけど、その場に主人公がいないときはどう表現すればいいの?――とか。

なんかそういう次元を軽く超えちゃってもう「神」。

「読み手」としても「書き手」としても

「すごいなぁ」

と感心した一冊です。

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やまね の紹介

偏った読書遍歴とそのレビュー。 コミックから専門書までなにからなにまで読みます。 書くのも読むのもやめられない。活字中毒をなんとかしてくれ! 乱読&積読仲間募集中!
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