問おう、なにをもって「萌え絵」というか?:萌えキャラマンガデッサン よくわかるマンガの描き方1:実用書:趣味

私はギャルゲー界にいたせいかその基準は「Tony氏」かと思っていました。

――がその認識は間違っていたようで、瞳が大きくアキバ風にデフォルメされてデジタル彩色された女の子の絵の総称のようです。(多分)
同人誌として印刷に出すのならカラーページは「シアン抜き」で「蛍光ピンク」を入れて――

というところでしょうか。
(肌の色が美しくなりますが印刷料金がえらく高くなります)

コスミック出版
編集:イマジネーション・クリエイティブ
「本が好き!」からの献本です。

やっぱりその根っこは「Tony氏」含む「18禁のPCゲーム」にあるような気がします。
――と遠慮がちに言ってみるけど絶対そうだと思う。

さて長らく漫画家になりたくてついに断念した私としてはこの手の本を見ると

「今はいいなぁ…いろいろお手本があって…」

としみじみ思ってしまいます。昔はこんな本がなかったからね。
フォトショップの本も少なく彩色や描き方はまったく自己流。
が、今はそのぶん描き手のハードルが上がってきており、pixiv等を見ているとイラストの完成度や技量面はものすごく上がってきていると思います。

素人とプロの見分けがつかないぐらいに。

帯には
「自分だけの『萌えキャラ』がすぐ描ける!!」
作画の基礎から丁寧にわかりやすく説明しているので、短期間でグングン実力アップ!
マンガの基本も萌えポイントも、これ1冊で完全マスター!

とうたっていますが――

どんなレベルの人に向けたメッセージなのかはちょっと疑問。
まぁ、IT系やスキル系の本はすべてそうで「自分のレベルにあった本」「自分の知りたいことが書いてある本」を見つけられるかがキモとなります。

第一章 顔の描き方 基礎編 ~萌え顔の描き方と顔のパーツの描き方
第二章 顔の描き方 応用編 ~萌えるキス顔の描き方
第三章 体の描き方 基礎編
第四章 体の描き方 応用編1 
第五章 体の描き方 応用編2
第六章 デフォルメキャラの描き方
第七章 マンガの描き方 実践編1(テクニック)
第八章 マンガの描き方 実践編2(作品作り)

マンガの技量ゼロから始める人はいないと思うし、対象は
「『萌えキャラ』を描きたいんだけどなんとなく『萌え』がでない」
という人向けなのかなぁ、と思います。

俯瞰や煽りの描き方も掲載されています。
それを「説明絵」として上手に描けている絵師さんもいるのですが、
「手足と体のバランスおかしいんじゃない?」
「明らかにデフォルメの範囲を超えた無理な体のひねり」
もあったりして「教科書的なモノ」を目指すには絵師さんのチョイスがイマイチ。

ボディポーズで
「縦に書いた絵をそのまま横にしても『人が寝ている絵』にはなりません」
とせっかく「重力バランス」で地面に接している肉体のたわみを説明しているのに

バストアップポーズで
「萌えっぽいペンの握り方」でのペンを突き出すポーズの肩位置、首位置が不動。
ペンを握っている部分だけの書き換えのみで極めて不自然だったり――

絵師さんのレベルの問題なのか? 打ち合わせ不足なのか?
という「イラストのお手本」が多すぎるような気がします。

あと「マンガ特化」なのか「イラスト特化」なのかぼけてしまっています。
最後に「着色テクニック」も載っていますが、あまりに盛り込み過ぎで各所の掘り下げが甘くなっているし、その分ターゲットもぼやけてしまっています。

マンガやイラストは最後には「個性」になってしまうので、基本はどんな絵柄でもあり。なのでそこそこ売れているイラストレーターさんをひっぱってきたのかもしれません。

が、「教科書」「テクニック」的な本としては文章と絵を一致させないといけないわけで、そういう意味では数々の矛盾がありました。

デフォルメキャラの「失敗例」「成功例」もあげていますが、

「失敗」と「成功」のどこが違うんだ!

と思わずつっこみたくなったり…

技術系の本は求めている情報の5分の1くらいが掲載されていれば「買い」かな~と思っている私ですが、ちょっとツッコミどころ満載でした。

「教科書」としてよかった絵師さんは
大竹知子さん(でもちょっと絵柄が古いかな~)
おおぐろてんさん(でもちょっとごついかな~)

帯にある「濃~い中身で見る見る上達!」

とキャッチも一見「初心者向け」ありますが、ある程度描けている人が
「う~ん、ちょっと『萌えテイスト』を意識して絵柄を変えようかな」

と見るにはとてもよい本だと思います。
そういう意味では購買層を迷わせてしまうので「帯」がよくないのかなぁ。

ちなみに男性は全く描かれていません。
せめて「キス顔」には入れて欲しかったな~
お相手あっての「キス」なので。

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