無知という恥:ブラディダーウィン・もうひとつのパール・ハーバー:小説:ノンフィクション

真珠湾攻撃と同じパイロット「淵田美津雄」が率いた空軍がオーストラリアのダーウィンに真珠湾より多くの爆弾を投下。真珠湾より多くの戦艦が撃沈され、真珠湾より多くの民間人が死亡。

オーストラリア史上最悪の惨事・悲劇はいかにもたらされたか――

この「事実」をいったいどれだけの日本人が知っているのでしょうか?
そもそもオーストラリアに「ダーウィン」という地があることを知っているのでしょうか?
(私自身は「ダーウィンの悪夢」というドキュメンタリー映画を見たことがあるのでアフリカの話かと思っていました)

ピーター・グロース著:大隅書店
「本が好き!」からの献本です。
献本は「普段自分が手にしない本を読む」という意味では偏りがちなマイフェイバリットを広げてくれるいい機会になります。

が、反面「自分レベル」をはるかに超える「想定外」な一冊があたってしまうこともあります。今回の「ブラディダーウィン」がまさにこれ。

本作品は第二次世界大戦の戦災のひとつ、1942年2月19日に日本軍がオーストラリアはるか北部にある港湾都市「ダーウィン」を空襲し、その結果膨大なる被害を受けた(日本軍にとっては「戦果」)――という史実を連ねるドキュメンタリーです。

本書は2009年にオーストラリア在住ののもと新聞記者、編集者でもあったピーター・グロース氏が刊行、2012年6月に大隅書房が全訳して日本で刊行しました。

特に日本人を非難するわけでもない著者が淡々とその前後のダーウィンの様子と受けた被害を描いています。

私は歴史に疎く、一読しただけではその全貌がよくわかりませんでした。

が、日本人がこれだけの戦禍をオーストラリアの地に与えていたこと、かつそれを全く知らなかったということにショックを受けました。

今日も沢山の日本人観光客がオーストラリアを訪れているでしょう。そして私を含む彼らは私達の祖先がオーストラリアに与えた被害を知りません。
――が、オーストラリア人は「日本人=ダーウィンの戦禍」と結びつくでしょう。

「知らなかった」でいいのでしょうか?

日本は最終的には第二次世界大戦で敗北してしまったけれど、その過程で他国に与えた被害は甚大です。
そして何故か私たちはそれを成長過程で教わることとなく育ち、その国に「旅行者」として訪れるのです。

そういった意味では私達日本人はとても愚かで罪深く横柄な人種に見えるでしょう。

そしてそういう「負の情報」を与えてくれない国家についても恥じ入らなければなりません。

日本人が一番日本という国を知らないのです。

無知でいることの恥を教えてくれた一冊です。

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やまね の紹介

偏った読書遍歴とそのレビュー。 コミックから専門書までなにからなにまで読みます。 書くのも読むのもやめられない。活字中毒をなんとかしてくれ! 乱読&積読仲間募集中!
カテゴリー: ノンフィクション, 小説   パーマリンク

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