原恵著 恒星社厚生閣 2800円
「本が好き!」からの献本です。
このような本、絶対に自分では購入しません><
題名からして堅苦しく「俺様は専門書だぜ!」オーラがプンプン臭っております。
そしてちょっと古めかしい。それもそのはず、初版は1975年。
改定を2度ほど経て今に至っているわけです。
内容は
第Ⅰ部 星座と星名
第Ⅱ部 星座の伝説と星名の意味
第Ⅲ部 現存しない星座
に別れています。
私は西洋占星術を少々齧ったのでなんとなく興味がわくのですが、そうじゃない人はなかなか読みづらい一冊じゃないかな~と思います。
内容が固く「教科書」を彷彿させるので 。
――が、そんなとっつきにくい本ですが、考えようによってはとてもよい使い道があります。
第Ⅱ部 星座の伝説と星名の意味
の章には「春の星座」「夏の星座」「秋の星座」「冬の星座」にわけてそれぞれ付属の恒星の位置とともに星座の由来や逸話が書かれています。
夏の夜空を眺めながら
「夏の地平からあまり高くない天の川の西にローマ字のS字形に並ぶ星があるよね。あれがさそり座。
太陽神アポロンの息子フェトンが愚かにも駄々をこね父親の馬車にのりたいとせがんだはいいものの、そこは半分人間の未熟な若造。
途中で馬が暴走して馬車は太陽の軌道をはずれ世界は大混乱。
しかたなくアポロンは雷で馬車を撃ち、フェトンはエノダウス川に落ちて死んじゃったんだよね~。
馬の暴れた原因は黄道近くでたむろするさそりに驚いたかららしいよ。
ところで君は何座? 乙女座かぁ~、乙女座はね…」
といつもとはちょっと違った切り口とインテリジェンスな話題でロマンチックな雰囲気になることもできますよ~~
ちなみにこのさそり座はかなり明るい星で団地の南向きの窓からでも楽に見ることができます。夏の間の宵の口だけ見える星座なので
いまいち煮え切らない彼女に
「早くしないと夏が終わって『さそり座』が見えなくなっちゃうよ!」
とそれとなくせかすこともできます(それも宵の口に)。
そしてさそり座は誰にも覚えやすい星座で、夏の夜に初めて星座を覚える人もかならず一回で覚えることができます。
な~んてことが「さそり座」のページに書かれています。
ご親切にも巻末には春夏秋冬別に星を探しやすい星座一覧表つき。
こんなふうに本を利用するのも楽しいよ。
夜空に散る星々の逸話と位置を知って、「星座マスター」になるのもいいですね。
きらびやかなパーティに飽きたらしんみり夜空を眺めながら星の軌道や太古の神々に想いを馳せたり――
あなたの魅力と話題の引き出しを増やしてくれる一冊です。
第Ⅱ部 星座の伝説と星名の意味 が一番面白いし、ここだけでも読む価値があります。
あとの章はちょっと固くて読みにくいので。
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