親は子供に育てられているのかもしれない:子どもを信じること:田中茂樹:心理学系専門書

「やさしく接しても、大丈夫なのです」

「子供の(本来もっている力を)信じること」について書かれた本です。主に幼児から高校生ぐらいの「ひきこもり」「不登校」「摂食障害」等々に対面した時の親の心構えについて書かれています。

「本が好き!」の初めての献本です。嬉しい~~♪
(このサイト右上の「プロフィール風アイコン」が「本が好き!」コミュへのリンクになっています。もうじきレビューが80冊。やっと1級になりました)
大隈書店様、ありがとうございました。
「――なんでその本にしたの?」と娘は複雑な表情でした。

装丁や帯が綺麗。イラストもほんのりと嫌味がなく内容にマッチしていました。
易しく書かれていますが作者は心理学専攻の医師。同時に文学博士でもあります。
専門書の固いイメージを下げて困っている親に優しく語りかける内容になっています。
じっくり読むとやはり「専門書」なのですが、それを感じさせないのはやはり作者の懐の広さだと思うのです。




――本文より

子供を信じるということは、都合よく考えて放任することではないのはもちろん、見守っていれば失敗しないだろうと信じるのでもありません。そうではない、失敗するかもしれないけれど、失敗してもまた立ち上がる強さを持っていると信じるのです。自分の子供は信じるに値する子だ、大事にするのに値する子だと信じるのです。親から信じてもらえることこそが、子供にとって決定的に大切な勇気の源になります。

Ⅰ診察や面接で気がついたこと
Ⅱ親子の関係
Ⅲ子供とのコミュニケーション
3部構成で45の小さな章にわかれています。いろいろな症状を心理学の概念を用いて易しくわかりやすく解き明かしています。実際に著者が見た患者の多数の事例を紹介しながら、そういう場合にはどうしたらいいかという解決策も提示してあります。

一番「う~~ん」とうならされたことは

Ⅰの6 不登校は勇気ある行動である――という章。

「不登校」「ひきこもり」は追いつめられた子供が決心して敢行した「ストライキ」みたいなもので「不登校」がはじまる時、子供はかなり弱っているという章でした。「不登校」「ひきこもり」は「どうしようもなく困った状態にある」という子供から親へのメッセージ。
そして子供は勇気を出して行動を起こして(不登校&ひきこもり)自分を守っている。その間ぼーっとしたり「ゲーム」「インターネット」等の作業的な行動を起こして自分を充電している。だから「登校」に心を折るのは「親」の都合。目先だけの心配をしており「子供の気持ち」を考えていない――というくだりでした。

大人なら「会社」を辞めたり「海外旅行」にでも出かけたりして現状のどうしようもない不快さをリセットする選択肢があります。が、子供にはその「選択肢」がとても少ない。
だから「不登校」「暴力」「リストカット」「過食&拒食」という手段を選ぶしかないのです。子供が意識せずに選んでいる自分自身を守るための数少ない手段であり、親に対しての「SOS」のメッセージでもあるのですね。

「『ひきこもり』じたいが正しい場合もある。外に出て『自殺』を選ぶなら『ひきこもり』でいてくれたほうがいい」
という著者の見解も「う~ん、そうだなぁ」と納得しました。そこまで酷くなってしまう場合も確かにあるから「登校」を気にしている場合ではないんだなぁ。生命に関わるようなもっと深刻な問題だということを自覚しないといけないんですね。

うるさくいってもかえって逆効果(これは私が身にしみて気をつけていたことですが…できてないかも~)。かえってやる気を削ぎます。
子供は自分で選び、失敗し、その失敗から学んでいくものなのです。そうしないと時にはズルをしたり嘘をついたりして自分自身を守る術を学ぶ機会を失ってしまいます。
親は子供をやさしく見守り自宅ではくつろがせてあげることが大切なのです。

――親にできるのは自分が変わること。(Ⅰの1より)

問題のあるお子さんをもつ親御さんや先生にお勧めのいい本です。自分の気持も和らぐし、今までとは違った視点で子供を見つめ、自分の中にある問題点に気がつくこともできます。

親と子供の距離は遠からず近からず。
私には二十歳になった娘がいますが大人げなく喧嘩ばっかりしてます。
ちゃんと子育てできてるかなぁ。子供が生まれたから「親」になるのではなく子供と関わることによって、子供に「親」として育てられているんだな~としみじみ思いしらされた一冊です。

――だから、健やかに育ってね、娘よ…

といっておいて舌の根も乾かぬうちに喧嘩が始まるという、大人気な~い親です。

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やまね の紹介

偏った読書遍歴とそのレビュー。 コミックから専門書までなにからなにまで読みます。 書くのも読むのもやめられない。活字中毒をなんとかしてくれ! 乱読&積読仲間募集中!
カテゴリー: 専門書, 心理学   パーマリンク

親は子供に育てられているのかもしれない:子どもを信じること:田中茂樹:心理学系専門書 への2件のコメント

  1. Compaqs より:

    「親の心構え」は「子供の(本来もっている力を)信じること」。なるほど。これはベースとして正しいでしょうね。勉強になります。ありがとうございます。

    それから先日の「アフィリエイトレベルアップ勉強会」、お疲れ様でした。

  2. やまね より:

    親もまだまだ「子供」の部分があるのに気づかずに子供に「親」をふりかざしてる~とちょいと反省しました。

    遊びに行きやすいようにリンク貼りましたよ。よろしくね。

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