「お前って根っからのロリータなんだな」
「うん、バリバリだよ」
小学館。
尼崎に住んでいた桃子親子。父親のバッタ物販売の焼きが回って逃亡を余儀なくされ、祖母のいる下妻に転がり込んできた。ロリータをこよなく愛する桃子は代官山にある大好きなブランドショップが近くなると喜ぶが、千葉からはとてつもなく遠かった。
お洋服欲しさにバッタ物のネット販売で小銭稼ぎを始めた桃子。ある日、原チャリに乗った派手なヤンキー娘が騒々しく登場。彼女の名はイチコ。イチゴという本名を恥じてイチコと名乗っていた。違いすぎる世界に住む二人は訝しがりながらもつるむはめに…
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映画とほぼ同じのアップテンポコメディー。ロリータ魂を貫き通す桃子と、ヤンキー上等のイチゴ。漫画のように楽しくてちょっぴり胸キュン、最後は大立ち回りの大団円友情ED。
桃子のとんでもロリータ哲学に感化されそうな一冊です。――妙に説得力があるので。
軽くて楽しいおすすめの一冊です。
★桃子哲学★
その1:齧ればいいじゃん。親の脛なんて、齧れるだけ齧ればいいんだよ。
脛を齧られるのが親の役目なんだから。齧るだけの脛を持っていない親なんて、親の価値、ないよ。で、親から借りたお金は返さなくていいんだよ。返せても返しちゃ駄目なんだよ。親に負債を作るのも親孝行の一つなんだから。
その2:裏切っちゃえば。義理や人情、友情なんて恋愛感情の前では全く無力なのよ。
人のものでも好きならば取ってしまえば良いのです。どんな反則技を使おうと、狙った獲物は手に入れなければなりません。我慢は乙女の天敵です。自分だけ幸せになればいいじゃん。
イチゴ:「大人になりてーな。何時になったら、どうやったら、大人に近づけるんだろうな」
桃子:「一杯、苦しんで、一杯、悩んで、一杯、笑って、一杯、失敗して、一杯、怒って、一杯、悲しんで、一杯、泣いたら、きっと大人になれるんだよ」
イチゴ:「じゃ、あたい、今、山盛り泣いたからよ、少しはさっきより、大人になったのかな」
桃子:「うん、ちょっとだけね、きっと、なったんだよ」
実はこのシリーズだけよむとポップでキュートな作風が「嶽本野ばら」の作風と思いがちです。が、他の書籍や「小説すばる」等を読んでいるとこっちは「側面」なんだな、と思います。「嶽本野ばら」は本来「ダーク&耽美系」の書き手さんだと思うんですよね、私は。
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